友禅の教室

昨日は前日の日記通り、鳥取県教育センターさんにおいて、鳥取や島根の公立中高の美術の先生を対象に、僕の講義と父の講義と手描友禅染の教室を行いました。教育センターさんの建物は学校そのもの。僕が通ってた中学校や高校を思い出す懐かしい風景。
午前の講義は数多くある研修教室のひとつで行います。資料用のスライドもご用意いただいたプラズマディスプレーのおかげでキレイに表現でき大満足。いつもはプロジェクター&スクリーンですが、高価なプラズマは初めての経験。そしてもう一つの経験、それは生声で教室の後ろまで聞こえる声を出すこと。子供の頃から当たり前に聞いてきた先生の声ですが、これってかなり大声張り上げてくれていたんですね。いつもはマイクに頼りっぱなしですが、大声出すのもキモチがハイになって良いかもしれません。
僕に続いて、父からは友禅についての講義。現物の作品を使って友禅の制作にまつわるお話をさせていただきました。実物の友禅作品を実際に触れていただき、感じていただけたことと思います。

<大撮影大会の図>
そして午後からはこの日のメインイベントである手描友禅染袱紗を染める研修。この研修では、京都観光などで行われる偽物染体験ではなく、子供達にホンモノを伝えてもらうため、先生方には僕の父が工房で開いている友禅塾とほとんど同じ本格的な手描友禅染めを習っていただきました。

<色鉛筆を使って配色のシミュレーションを行います>
30分かけて各々色の設計が出来たところで、テーブル毎に直接父が染め方のデモンストレーションを行います。

<先生方に注目され父もすこし緊張気味で筆をはしらせます>
そして一通り筆使い等を見習ってもらったところでいよいよ染料を使った染め付けがスタート。
さすがは美術の先生方、筆の使い方はさすが!色の設計も美的センスもばっちりです。しかも、妥協無く作品作りに打ち込まれる姿勢には、京都から来た我々もただただ頭がさがります。それから2時間ばかりじっくりと時間をかけ腐心の傑作が完成!それぞれ個性豊かな作品が出来上がりました。
一旦回収した作品は染色の後加工を行い、縫製をほどこし2週間後くらいにはお手元にお届けとなります。この作品を使って、「これ先生が染めたホンモノの手描友禅だぞ!」と生徒達に自慢してください。
そんなこんなで朝からの友禅スペシャルデーも無事終了。鳥取県教育センターの皆様、研修に参加くださった先生方、また、今回ご担当下さいました廣坂さん、この研修を企画下さいました佐藤さん(秋の作品展頑張ってください!)、ありがとうございました。
京都に戻ってから、僕はその足で別件ミーティングに参加。我ながらタフな1日でした。

イル・ギオットーネの笹島さんにお会いして

「最も予約が取りにくいレストラン」として有名なイル・ギオットーネの笹島さんにお会いすることが出来ました。実は、先週私が僭越ながら講師を務めさせていただきました京都市中小企業支援センター様主催 ”育てよう「京ものの種」”連続5回講演会の第5回目の講師がこの笹島さんだったのです。ご講演の内容はとっても濃いもので、私自身が今直面している問題や悩みを次々に解きほぐしてくれるヒントがふんだんに含まれ、私にとってはまさに金言集そのもの。クリエーターとして、そして経営者として笹島さんご自身が乗り越えて来られた体験談や考え方を数々うかがううちに、今の私と同じような問題を抱えておられた時期があり、しかし、すでにそれを打開し前に進まれている姿に、共感するとともに笹島さん自信がマスコミ等で拝見する”異次元の存在”ではなく、少し前をいく(というか、かなり彼方前方ですが・・・)”生身の先輩”のように感じてしまいました。(実年齢も笹島さんは私の1コ上)あつかましくてすみません。その後の交流会でも、かなり長い時間笹島さんを捕まえて、ぶっちゃけぶしつけな質問を浴びせ倒しましたが、イヤな顔ひとつされず機関銃のようにお話くださり、めちゃめちゃうれしかったです。散会後、帰り際に笹島さんと2人で四条通りを歩きながら、私に話してくださった言葉は真に実感です。私の場合、様々な講演会やヒヤリングで自分の体験を通して蓄積してきたノウハウをいとも簡単に喋ってしまうのは間違いなのでは・・・って思うことがありましたが、世で得た知識や恩義は世に還元するのが道理だって、ここで笹島さんい改めて体現され、自戒の念にさいなまれてしまいました。先達から受けた恩義は、そのまま先達に返すのではなく、後進に受けついて行くこと。自分がその恩を消費してしまっては連鎖も途中で消えてなくなります。自分の手のひらに載せてもらった恩を後進に譲ってしまえば、手のひらがカラになるって不安になるのが普通です。でも、そこを辛抱して手のひらを一度カラにしてみる・・・すると不思議なことに、これまでの手のひらの大きさでは少し手に余るくらい大きい恩が先陣から回ってきます。この恩をこぼすことは絶対に出来ませんから、頑張って努力すると、いつの間にやら手のひらがこぼさず済むよう相応に大きくなっているのです。でも、それもまた後進に受け継いでいく・・・の繰り返しなのかもしれませんね。
改めて、笹島さん、そして支援センターの皆様、ありがとうございました。

日本の文化を輸出する方法

海外の人に日本を分かってもらおうとするなら、「そのままの日本」では伝わらない。これは、先月フランス・パリのインテリア系見本市「メゾン・エ・オブジェ展」に製品を出してみて感じた私の感想です。ドイツ・フランクフルトの「アンビエンテ展」に出たときも同じ印象。日本で評価が高いデザインでもヨーロッパ人に分かる文脈に意訳しないと、こちらの意図はまったくといっていいほど彼らには伝わりません。
例えば花の紋様をめぐって私の実体験をすこし紹介します。日本の紋のように贅肉をそぎ落とし究極に図案化された花紋様は、「人工的なデザインの美しさ」としてヨーロッパ人も受け入れやすいようです。が、紋ほど図案化されていない例えば琳派風の花紋様に対しては、デザインというよりも、そこに描かれた「具体的な花」を彼らは感じてしまい、私たちの友禅デザインを受容する事ができなかったのです。「僕たちはウメやサクラの絵を見てもちっとも季節も感じないし、心も動かされない」と。さらに「僕たちが季節を感じたり、家族を思い出すのはチューリップやパンジーだ」とも教えてくれました。絵が自然を表していることまでは気がついてくれたのはさすがヨーロッパ人。でも半分しか伝わってない。日本の野山に咲く花々をモティーフに作った絵(デザインや色)は、彼らの心に届きませんでした。
友禅のデザインに今も使われている琳派の画家達は絵を通して何を伝えたかったのか・・・。もしも琳派の画家達が当時ヨーロッパの地でヨーロッパ人顧客に対し絵を描いたら何をモティーフにしてどんな風に描いたのか。。。
今夜の情熱大陸はパリで鉄板焼日本料理店を開かれている相田康次さんのエピソード。
http://www.mbs.jp/jounetsu/2007/02_25.shtml
私がパリの見本市から戻りずっと考えていたことを「料理」ですでに実現している相田康次さん。私よりも5つも年下なのにスゴイ! 私なんかまだ京都でごちゃごちゃやってるんですからホントに尊敬します。
帰国後、対欧州戦法を私なりに仮定していたのですが相田さんの考え方や具体的なアプローチ方などをテレビで拝見し、やっぱりそうなんだ、と一人でほくそ笑む祐之亮でした。
次回パリに出張する事があれば相田さんのお店には必ず行ってみようと思います。できればカウンターでお話ししてみたいですね。

講演、終わりました。

皆様のおかげをもちまして、無事、講演会を終えることができました。目利き委員会の委員皆様、京都市の皆様、KYOTO共生の皆様、また小生のつたないお話を聴講いただいた皆様、本当にありがとうございました。
これまで大学の講義などでは、より親近感を感じていただくため、ぶっちゃけ雰囲気のアドリブ型でお話させていただいています。が、今回は京セラ創業者の稲盛名誉会長とご一緒させていただく公の講演会ということもあり、あらかじめ原稿を用意し初めてフォーマルな形式にチャレンジしてみました。
講演会場は京都ホテル・オオクラ「暁雲の間」。2階分ぶち抜きの天井付近にはPAの副調整室まであって、講演会やらディナーショーやらに使われる1000人以上収容できる大広間です。私が会場入りした時間帯は、まだセッティングの最中でしたが、すでに1200脚の椅子がキレイに並べられており、その非日常的な風景の中に身を置くと否が応でも緊張感が高まってきます。
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会場内のカメラテスト等を済ませ、親族様用控え室みたいな部屋(というかそれでした)でしばらく待機。持ち時間内で原稿を読み合わせし気を紛らわせること30分。ついに出番がやってきました。係の方に誘導いただき会場に戻ったときは既に満席状態で、それを見てしまうとさすがに緊張が最高点へと達してきました!ご案内いただいた席に座ると、お隣はサムコの辻社長さまがおられ、目利き委員会の最終審議会あとのAランク認定時に委員席から「がんばれよ!」の一言をいただいた御礼とご挨拶させていただき、すこし緊張がほどけました。(あのときいただいた一言は一生忘れないでしょう。)
さて、女性司会者に紹介され壇上へ・・・案外落ち着いてお話できたのか、意外と冷静に30分を壇上で過ごすことができました。が、原稿を用意した分、すこし固くなり過ぎたかもしれません。どいうしても目線を下げて原稿を読んでしまいます。いやはや、まだまだ修行がたりませんね。(ってなんの修行やら・・・)
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写真は講演の様子を主催者に撮っていただいたものと、今回のメイン講演者である稲盛さんにご挨拶させていただいているところです。講演よりも緊張した瞬間です。
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明日、1200人の皆様の前でお話させていただきます。

突然ですが明日、1200人の皆様の前でお話させていただくことになりました。京都には京都市ベンチャー企業目利き委員会という、ベンチャー企業の起業喚起と起業後のサポートを目的とした組織があり、その委員会が本年で丁度10年の節目を向かえるにあたり、記念の講演会が催されます。京都でもベンチャーの祖ともういべき堀場製作所の堀場氏、京セラの稲盛氏、日本電産の永守氏を迎え、3日間の記念の講演会が行われます。http://www.platform.astem.or.jp/jisedai.html
実は小生、この第2日目にあたる京セラ名誉会長の稲盛氏の講演の前座を務めさせていただくことになりました。京セラの創業者がお話される前に、私なんぞが何をお話させていただいたらよいのか・・・最初にこのお話をいただいてから2ヶ月、本当に毎日毎日考えてきました。明日、ガチガチになったらどうしよう、そんな事が頭をよぎります。しかし!今日、といいますか、ほんのさきほどある方々(これについては後日ご報告いたします)からお力をいただきました。本当に感謝です。明日、思いっきりやらせていただきす!!

コートを着たアフリカのお客さま


今日、ウチの会社に遠来のお客様が10名ほど来られました。どれくらい遠来かというと、ドえらい遠いアフリカ諸国から・・・。ガーナやマダガスカル、ナイジェリア、セネガル、ウガンダ、ザンビアといった、地図上その場所を正確に指し示す自信がないほど縁遠い国々から来られたお客さま達は、JICA国際協力機構さんが受け入れた各国キャリア官僚の視察団だそうで、母国の産業活性化のヒントを掴むため東京や京都の物作り系企業を訪問されて廻っているそうです。ウチへは京都市産業推進課さんのコーディネートでおこしになられたのでした。

約一時間ほどキーノート(パワポのアップル版)を使ってウチの会社のコアでもあるCG友禅の事例紹介などを行い、その後、質疑応答に応えるといういつもながらの講演ルーティンワークでしたが、アフリカの皆さんにも良くご理解いただいたようで一安心。講義内容はいたってシンプル、日本人には日本人に合うライフスタイルやデザインがあるはずで、必ずしも欧米のそれが最高ではないって事と、いちばん居心地の良いデザインコンテンツは自分たちの「伝統」の中にたくさん秘められているって事。それに日本のデザインは環境にやさしいスローデザインであり、京都は特にスローデザインを暮らしに取り込んだ最も進んだ街で、その京都から京都プロトコル(京都議定書)が発行されたことは意味深いんだ、的なことを事例を交えてお話させていただきました。
私は今まで分不相応ながら様々な国の方の前でお話させて頂く機会を頂いてきて今日思うこと。国によって反応が全然違うんですが、例えば、欧米メディア在日記者クラブでの講演では質疑応答で、テクニカルな分野より著作権など知財分野でのシリアスな質疑応答に終始しましたし、今回のアフリカ諸国の方々はむしろ私のオリジンでもある手描友禅の製造工程等に強い興味を示す傾向が見られ、それぞれの国や地域で経済の成り立ちや、立ち位置の違いを如実に表しているんやな〜やはりそうなんや〜と感じつつ、現実のアフリカ対欧米の関係やアジア対欧米の関係に照らしてみて、正直なところ複雑な気持ちにならざるを得ない一日でした。
追伸:今日の京都はかなりの冷え込みで、アフリカからのお客様にはかなりこたえたのでは。コートは自前で持ってはったんやろうか?日本で買わはった?ま、どうでもいいのですがアキバで買ったらしいデジカメは母国で使えても分厚いコートは要らんやろうな、と勝手な心配をしてしまいました。しかし、昨日今日の冷え込みで生まれて初めて雪を見、かつ触った方もおられたようで京都見聞録がアキバのデジカメと共にいい土産になっていれば良いのですが。
※写真の説明
左に写っているニット帽をかぶり頬杖をついた人は一見退屈そうですが、以外や質疑応答タイムでは一番多く発言されていました。

人との繋がり、ネットワークのちから

昨日は友人のカメラマン氏とバイクで福井の小浜までひとっ走りし、帰宅後すぐ夕方から地元京都にあるD大学のビジネススクールに呼ばれオープン講座でちょこっとだけ喋らせてもらった。
http://www.bs.doshisha.ac.jp/13program/kyoto/kyoto_main.html
京都で独創的な事業を展開する9社の経営者が、1日1人代わる代わる講師になり約2時間、自社の事業なりモティベーションなりを語る地元産業をどう活性化したかを探るオープン講座プログラムなんだけれど、私は5月某週末の1日講師を任されていて、昨日はその総括ということで再び招かれた。他の講師陣は全国的にも有名な老舗や成功を遂げたベンチャー経営者ばかりで、私なんかちっちゃい会社の若造が混ざっててええんかいな、と思いつつ厚かましくも独り勝手に語らせもらった。そのプログラムの主催者であるM教授がハブとなり、聴講生の皆さんや講師の社長さん達に対して、私は様々なネットワークを作ることができた。結果、ウチの事業がおもしろいと感じてくれた幾人かの方々といくつかのコラボ事業が始まり昨日ついには世に出る製品が誕生。コラボ先のN社のCEOも気楽に参加した講義がこんな結果を生むとはまったく考えていなかったらしい。お互いアグレッシブに情報を発信していた結果かな。さらにこれ以外にも2つの案件が目下進行中。ほんとに点と点が繋がったって感じ。というか、繋げてもらったというべきか。。。とにかく感謝。なんだかんだ言っても、結局人と人との繋がりの中で生かされているんだな〜と実感。「人間」とは良く言ったものだ。

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