川邊祐之亮(かわべゆうのすけ)の京都もん日記


京都きものサローネ開幕

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11月1日,準備を進めてきていた「京都きものサローネ」が開幕しました。私が同志社大学で研究させていただいてる「宇宙×京都」を具現化した作品展「宇宙ときもの」展を,この「京都きものサローネ」で展示しています。

「京都きものサローネ」
商談見本市:平成23年11月1日(火)・2日(水)
一般公開 :平成23年11月3日(祝)
      10時?20時(11/3は17時まで)
会場:京都産業会館3・4F(四条通烏丸西入)
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今回,正面見つけから会場に入って直ぐの18mもの壁面が展示スペース。
背景画は,地球の写真を全体に引き伸ばし友禅の帯が浮遊するイメージをデザインしました。
以下,「京都きものサローネ」に展示中の「宇宙ときもの」展から小作を紹介します。陸域観測衛星ALOS「だいち」が宇宙空間から撮影したアラスカ・スワード半島とそこから離岸する流氷を捉えた画像を,伝統的な雪輪取りという構図の着物柄として取り込んだ振袖です。着物一枚の画角が京都市ほどのスケールとなります。初めてこの流氷の画像を観た時,自然が創るモノトーンの流氷に心惹かれました,また流氷がひび割れ黒い海面が現れる様が,ちょうどロウケツ染のロウの割れように見えたことがこの作品作りのキッカケとなりました。八掛(裏地)にはグレートバリアーリーフのサンゴ礁の画像を施しています。きものでは,表の柄と裏の柄の組みあせのストーリー性を重んじる文化があります。ここでも,地球温暖化による海面上昇により南洋のサンゴ礁が死滅する危険性がある事など,環境問題をも提起するデザインとしました。上前の裾文様には雪輪を月に見立て,その月にむかって飛翔するうさぎの構図としています。
使用した生地はぽってり肉厚の丹後ちりめんの銀通し。全体にキラキラと光って氷の粒が輝いているような表現になりました。展示が終わったら上前の流水部分にでも,箔であしらいをいれてもいいかも。うさぎは京繍の白の糸で縫いつぶしが良いか,縁をコマでくくるかかでしょうか。
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(写真)アラスカ・スワード半島の流氷振袖
続きまして,上の振袖の浴衣バージョン。
振袖の図案をそのまま浴衣にするのでは面白くないですね。
そこでまずは可愛くするために,伝統的な雪の結晶柄を全体に散りばめました。デザインのテーマは「流氷振袖」と同じですから,この浴衣でも雪輪のモチーフを使いますが,こちらは雪輪自体を黒のシルエットでのぞかせてちょっと大人っぽい印象の図案としました。バックはもちろんロウケツ染めのような表情をみせるアラスカの流氷です。
振袖は「絵羽」と呼ばれる一枚の構図が全体の画面として構成されますが,浴衣は「送り」と呼ばれる繰り返し柄となります。テキスタイルデザインなら「リピート」と呼ばれます。この違いも図案を作る上で大きな制約となっていますが,浴衣らしい可愛さは,この送り柄からくるところも大きいのです。
さて真夏の衣装である浴衣に,真逆の季節柄の雪や氷をモチーフっておかしい?・・・そうなんです,暑い時期だからこそ,涼しい文様を身につけることで涼しさを感じようと,ちょっとした遊び心を入れてみました。仕立てもこの展示会用に振袖仕立てにしてみました。華やかですね。
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(写真)アラスカ・スワード半島の流氷と雪紋浴衣
最後にご紹介するのが,カーボンファイバー振袖です。
初めてこのカーボン素材を見た時,その「艶」に私は感動しまし,この素材できものを作りたい!と考えつづけていたのですが,この「宇宙ときもの」展をキッカケとしてついに実現しました。烏の濡羽色,あるいは濡髪に例えるのが良いのか・・・適当な言葉が見当たりませんが,この炭素が作り出す漆黒の艶感は,絹のそれとはまったく別次元の美しさがあります。全体のヌメ感はこれまでのテキスタイルでは本当に見たことがない作品となりました。
カーボンといえば皆さんも,ゴルフクラブのシャフトや自動車のパーツなどでご存知の方も多いかと思います。このほど就航したボーイング787にもカーボンが多く使われている事が報道されていたのは記憶に新しいですね。航空機の機体など宇宙航空産業の分野で欠くことのできないハイテク素材として,カーボンは今脚光を浴びています。
今回,この作品に利用したカーボンは飛行機に使ったりする素材と少し質感が違っています。最大の違いはそれは柔らかさです。通常のカーボンは樹脂で固められたガチガチの板状の素材ですが,この振袖は樹脂で固める前の繊維のままで生の糸のまま使用した,おそらく世界で初めての振袖なのです。(裏を取ってませんがこれを織れるのは世界で1社しかありませんので。。。)さて,ここから先は少し専門的になりますが,通常のカーボンはレピア織機と呼ばれる機械で織られる平織りの織物ですが,この振袖は西陣のジャガード織機で織られていいます
ということは,,,,織物に詳しい方なら容易に想像いただけるかと思いますが,このカーボンは平織りだけではなく,美しい織り文様を自在に織り込めるのです。この振袖では,独特のドレープ感を強調する織柄として,40センチの幅の山形斜文といわれる伝統文様で別織りしています。写真ではなかなか質感をお伝えできませんので是非,会場で直接ご覧になってください。ちょっとだけなら触ってもいいですよ(笑)
「京都きものサローネ」一般公開は11月3日のみとなりますのでご容赦ください。
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(写真)カーボンファイバー山形斜文振袖
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「きものサローネ」

「京都きものサローネ」に宇宙ときもののタイトルできもの三点を出品します。

以下紹介文です。
せる同志社大学大学院ビジネス研究科・伝統産業グローバル革新塾のこれまでの歩みを紹介し、展示します。
「きもの」文様のデザインは、花鳥風月をよしとし、元来自然由来のモチーフを身にまとう事を粋としてきました。友禅が生まれた江戸時代の身近な草花を愛でた自然観と、21世紀の現代、科学の進歩にともに広がった自然観を「きもの」通じて対比する「宇宙ときもの」展では、宇宙空間から眺めた地球の姿をデザインに取り込んだきもの等の展示を行います。
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友禅×宇宙

このブログにも何度か書いている「友禅×宇宙」のこと。

JAXAさんとの取り組みでは今までに
観測衛星の取得した画像を使い様々な物を作って来たが、
今回はいよいよ私の制作物が宇宙に飛び出す事になりそうだ。

月曜日、同志社大学大学院ビジネス研究科のある同志社大寒梅館にて
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の方々と
「友禅×宇宙」を実現するべく会議を行った。
前回、筑波宇宙センターでの会議以来実に4ヶ月ぶり。
今回、私の夢が叶い、
同志社村山教授のもとで進めさせていただいているプロジェクトは、
JAXAにおいて「文化/人文社会科学利用パイロットミッション」
と呼ばれるカテゴリーに属する”文系”の実験で、
国際宇宙ステーションISSの日本実験棟「きぼう」で行われる予定。
そもそもこのプロジェクトがスタートしたのは約二年前。
同志社大学大学院ビジネス研究科、
村山裕三教授率いる「伝統産業グローバル革新塾」の
宇宙好きの有志が集まった「宇宙とつながる京都研究会」が母体のプロジェクトだ。
(スタートアップ時に行ったシンポジウムの記録はJAXAのWEBサイトにあります)
そして今回の我々のプロジェクトの概要はこちら。
今回のプロジェクトでは、
日本人の誰もが心に様々なイメージを持つ風景(自然現象)でもあり、
友禅のモティーフにもよく使われる「桜吹雪」を
無重力の国際宇宙ステーション内で再現するというもの。
もちろんこの実験にもアナログの友禅染めも使う予定だ。
詳細は後日!




宇宙+友禅 いよいよ第2ステージへ

一昨年から私、川邊祐之亮が関わっているJAXA(宇宙航空研究開発機構)とのコラボレーション第2ステージがいよいよ本格的始動!

08年に行った第1ステージは、人工衛星「だいち」が700km上空から撮影した美しい地表の様子を文様に見立てた、メッセンジャーバッグ浴衣室内装飾、などを製作だった。このコラボでは京友禅など”自然の様子をデザインに活かし愛でる”日本の伝統文化を現代的に解釈し、「科学の目で見た地球の美しい姿を愛でる」をコンセプトとして、今の生活でよく利用される身の回りの品物への落とし込みを行った。この取り組みはJAXAのシンポジウムで発表した他、新聞、テレビニュースなどでも報道いただいた。(JAXA公式プレスリリースはこちら

そして第2ステージへ。今度は私たちのクリエイティブが、ISS(国際宇宙ステーション)の日本実験棟「きぼう」で行う人文社会科学利用パイロットミッションとして宇宙に飛び出そうとしている。昨日、日本最高気温を記録した京田辺にうかがい同志社大学工学部の流体力学ご専門の山口教授にお会いし様々なアドバイスをいただいた。

いよいよこの秋からは本格的なクリエイティブが始動。マイルストーン毎に本ブログで進捗等お知らせできれば考えていますので、ご興味のある方は楽しみにお待ちください。


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我も宇宙へ!

宇宙は子供の頃からの夢の場所。
もの心ついた頃から、自分自身は行けないけれど、
宇宙やロケットなど宇宙関連のなにがしかに
関わりを持ちたいとずっと願っていた。
今日、山崎宇宙飛行士がISS(国際宇宙ステーション)に到着した。
本当に凄い!
実は先日、JAXAにてISS「きぼう」日本実験棟にて実施する
文化・人文社会科学利用パイロットミッションの候補に
同志社大学の村山教授率いる、
我らのプロジェクト”「赤色」でつなぐ宇宙と伝統文化”が選定候補になった!
http://kibo.jaxa.jp/experiment/application/epo_2010_selection.html
この道を示していただいた先生に感謝!


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丸の内地球市民ギャラリー

3月12〜31日とまだ先の話ですが、
宇宙航空研究開発機構(JAXA)主催の
「地球遺産・躍動惑星・日本空訪」展<丸の内地球市民ギャラリー>にて
拙作の人工衛星画像を使った浴衣他を展示します。
丸の内の地下通路にこんなギャラリーがあるのですね!
詳しくは 下記PDFファイルをご覧下さい。
http://www.sapc.jaxa.jp/about/spread/img/marunouchi_info.pdf
界隈を通勤路にされている方がおられましたら是非ご覧下さい。


「宇宙とつながる京都」

昨日3月12日、同志社大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共催フォーラム「宇宙とつながる京都2009」講演会が同志社大学寒梅館ハーディーホールにて行われました。会場には200名近くの方においでいただき、また懇親会にも80名以上の方が残っていただけるなど、とても盛況な催しとなりました。平日にも関わらずお忙しい中お足を運んでくださいました皆さま、本当にありがとうございました。またこの講演会の準備から当日の運営までお世話になりましたJAXAの皆さまと、村山先生をはじめとする京都側メンバーの皆さま、本当に御世話になりました。
この講演会の狙いは、京都の伝統工芸と宇宙を結びつけるという一見荒唐無稽に思える事が実は実現するのだ、ということを告知するとともに、まだ見ぬ仲間を募る事。
近い将来、京都のモノやコトを宇宙に浮かぶ国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」に運びます。

会場エントランス付近には陸域観測衛星ALOS「だいち」の模型を展示。

床面には4M四方にプリントされた京都、滋賀、奈良、大阪を一画面におさめた全近畿俯瞰図。陸域観測衛星ALOS「だいち」は70kmの幅で地球表面をリンゴの皮を剥くようにシームレスに撮影していきます。
琵琶湖から大阪湾まで継ぎ接ぎ無い1ショットで映しているという超ワイド画角なのに、最大解像度は地上の2.5m大のものまで識別できるという超高精細能。実際なんと私の自宅までが認識できるではないですか!このスケールの多きさと微細な感度を併せ持つ「だいち」の性能に改めて驚かされました。

宇宙服も特別展示。調節つまみに記された文字はすべて鏡文字。身体をかがめないので手に装着された鏡で映してみるそうです。なるほど!

会場の同志社寒梅館ハーディーホール。平日の真っ昼間でかつ確定申告の閉め切り(笑)も近いというのに、たくさんの方にお集りいただきました。ありがとうございます。

基調講演は同志社ビジネススクールの村山教授。京都と宇宙、実は平安時代から関係があったんだという衝撃的なプレゼンテーションを行われました。

不肖私も着物に袴姿で登壇し「だいち」の衛星画像を利用し製品化したこんな例こんな例こんな例など実績と、国際宇宙ステーションで何が出来るのか?というプレゼンテーションを行わせていただきました。
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この講演会のスペシャルゲストは宇宙飛行士の山崎直子さん。
当日はヒューストンにおられるらしく、京都への来場叶いませんでしたが京都への想い等、ビデオを通して熱いエールをいただきました。